要約版 令和4年3月定例会 高知市議会議員 甲木良作個人質問

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1 筆山文化会館改修について 
○ 筆山文化会館は開館以降,市民の芸術・文化活動及び生涯学習活動の場として利用されてきた。
○ 筆山文化会館は,市民の文化・芸術活動にとってかけがえのない活動拠点だが,老朽化,耐震性から,近々の対応が求められている。
【市長/総務部】
1-① その後,実施方針に基づきご検討された内容の詳細についてのご説明を、検討されていないのであれば、いつご検討されるつもりであるのか、市長に問う。

【答弁】
筆山文化会館の今後について、これまで整備の方向性など検討してきたが、来年度には、文化施設として必要な機能・設備や災害時に必要とされる防災機能など、必要性や経費等について調査・研究を行ってまいる。

【市長/総務部】
1-② 防災施設との併用等の展望,活路について市長のご見解をお伺い致します。

【答弁】
今後の施設整備等については、「高知市公共施設再配置計画」に沿って検討していくことになるが、期限がそれぞれ延長された緊急防災減債事業債や公共施設等適正管理推進事業債などの有利な起債を活用し、利用者の皆様のご意見もお伺いしながら、防災機能を備えた文化施設として、検討してまいる。

2 教育行政について 
【教育長】
2-① 教育長が目指す教育ビジョンや,特に進めていきたい政策があればお伺い致します。

【答弁】
本議会において、ご提案させていただいておる教育施策を学校や地域の皆様と一緒に推進することで、子どもたちの学力向上や体力向上はもちろんのこと、本市の喫緊の課題であります「不登校児童に対する支援」に生かされるものと考えている。
これまでの取組をさらに充実させ、学校の教育活動全体を通して、不登校児童生徒を生じさせない予防的な対応を強化するとともに、不登校状態にある児童生徒の学力保障や進路保障、居場所づくりにも力を入れてまいる。
これらの取組を推進して、子どもたちの未来に責任を持つとともに、「高知で教員をすることの魅力を高めていくことをぜひやりたい」と就任するときに思った。

○ コミュニティ・スクールとは,地方教育行政の組織及び運営に関する法律に規定する保護者や地域住民等が学校運営に参画する「学校運営協議会」を置く学校のこと。
○ 学校,保護者,地域の方々が知恵を出し合い,学校運営に意見を反映させることで,子供たちの豊かな成長を支え,「地域とともにある学校」へ転換を図る有効な仕組み。
○ 学校運営協議会の主な役割は,校長が作成する学校運営の基本方針の承認,学校運営に関する意見を述べる,教職員任用に関して教育委員会に意見を述べる,の以上3点。

【教育長】
2-② 教育長にお伺い致します。コミュニティ・スクール推進事業とは,一体何のために行う事業であるのか,教育長自身は,コミュニティ・スクール推進事業について,どうお考えでしょうか。

【答弁】
少子高齢化核家族化が進み、人と人とのつながりが希薄化していく社会状況において、地域への愛着や誇りを育みながら、地域の中で世代を越えて交流することにより、子どもたちがたくさんの愛情に包まれて成長することにつながるものと考えている。

【教育長】
2-③ 社会総掛かりで,「地域とともにある学校づくり」 を実現するには,今こそ,全ての公立学校へのコミュニティ・スクールの導入の取組を加速させることが必要であり,努力義務を有する教育委員会がコミュニティ・スクールの導入に向け,主体的に学校等へ継続的に支援していくことが重要です。教育長のお考えをお伺い致します。

【答弁】
教育委員会においては、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支える取組を大切に、地域と協働した学校づくりが推進されるよう、支援してまいる。

【教育長】
2-④ 国の旗振りで,形式的に導入していくのではなく,まずは,管理職から意識改革を行い,学校外の地域資源である「ひと」「もの」「こと」へ目を向け,積極的に地域と関わる姿勢が必要だと考えます。あらためて,教育長のお考えをお伺い致します。

【答弁】
本市において、すでに先行してコミュニティ・スクールを導入している学校では、地域の自然や文化をテーマとした探究的な学習や、地域と行う合同防災訓練の企画を協議する、といった地域資源を活用した取組が行われてきている。
こうした先行事例を、校長会などを通じて共有することにより、それぞれの校区にある地域資源を活用した取組につながっていくよう、管理職のコミュニティ・スクールに対する意識を高めてまいりたいと考えている。

○ 社会教育士について伺う。
○ 元々「社会教育主事」という専門的教育職員制度があり,社会教育法に基づいて教育委員会に置くこととされているが,社会教育士制度は,社会教育主事講習等規程の一部改正によってできたものである。
○ 社会教育主事は,任命権者の教育委員会から社会教育主事の発令がないと職名が名乗れないが,現在,本市の教育委員会で発令された職員はいない。
○ 2021年6月の文科省のコミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議の中では,学校にも社会教育士等,社会教育行政に係る能力のある教職員が必要とある。

【教育長】
2-⑤ コミュニティ・スクールについては,令和5年度までに全ての小中学校にコミュニティ・スクールを導入することを目標として掲げておりますので,文科省の検討会議の考え方に基づいて運営していくのであれば,今後,社会教育士等,社会教育行政に係る能力を身につけた専門人材を活用していく必要があるのではないかと考えますが,教育長はその点について,どうお考えでしょうか。

【答弁】
コミュニティ・スクールは、これまで我が国が大切にしてきた「地域の子供を地域で育て
る」考え方の上に成り立っていると捉えており、それを実現するためには、社会教育の視点も必要となってくると考える。
コミュニティ・スクールの導入に当たっては、地域における様々な経験や能力を持つ方々にご協力いただくことに加え、今後においては、社会教育に関する専門的な知識や経験を有する方々の協力をいただくことについても研究をしてまいる。

【市長/総務部】
2-⑥ 本市においても,社会教育士等,社会教育行政に係る能力を身につけた専門人材は,様々な分野での活躍が期待され,活用し育成していく必要がある。今後,それらの専門人材が様々な分野で幅広く活躍していくことが,市長の目指す高知市型地域共生社会の実現にもつながると考える観点から,今後,部局横断的な連携の意識を持つべきだと考えますが,市長のお考えを伺います。

【答弁】
現時点では、本市職員の職種としての社会教育主事の配置はなく、また、社会教育主事養成課程を修了している職員についての数についても把握はしていないが、今後、本市での社会教育士の活用について、他都市の事例も参考にしながら研究してまいりたい。

○ 本市の保健体育科と運動部活動の在り方について伺う。
○ スポーツ庁が昨年12月,令和3年度全国体力・運動能力調査結果を公表し,体力調査合計点は令和元年度に比べ,小・中学生の男女共に低下していると明らかにした。
○ 調査は,全国の小学5年生と中学2年生を対象に昨年実施され,本市の令和3年度調査結果概要を見ると,中学2年生男子には前回実施結果を上回るものの,中学2年生女子,小学校5年生女子,特に,小学校5年生男子が「上体起こし」以外の7種目が前回実施結果を下回るなど,全体的に低下している。

【教育長】
2-⑦ 教育長は,本市の調査結果をどのように評価され,今後,それをどのように生かして保健体育科の授業へ取り組んでいくべきとお考えであるのか,ご所見をお伺い致します。

【答弁】
実技に関する調査結果を受けて、各学校は、調査結果から把握した子どもの運動能力等を分析し、例えば「反復横跳び」に課題があると分かった場合、体育・保健体育の授業の中に、「タイミングやバランスよく動いたり、リズミカルに動いたりする運動を取り入れる。」、また、「20mシャトルラン」に課題があると分かった場合は、「全身持久力を高めるために、縄跳びを取り入れる。」など、課題に対応した授業の充実や改善に取り組んでいる。
教育委員会としては、各学校の調査結果を踏まえ、学校組織としての体力向上の取組や授
業改善に係る指導助言を行ってまいる。

○ 昨今,運動部活動においては,少子化が進む中,従前と同様の運営体制では維持は困難となってきており,存続危機にある部活動も出てきている。
○ 今後,少子化により運動部活動の存続は厳しくなってくるのではないか。

【教育長】
2-⑧ 本格的な少子化を迎え,今後,部活動はこれまでの在り方では対応できない問題に直面することが予見されます。教育長は,これまで各体育連盟の要職をご経験されており,運動部活動の発展にも力を入れてこられたと思いますが,それらのご経験も踏まえて,先の課題について,どう認識されているのか,子どもたちがスポーツを続けられる環境を維持するために,本市として運動部活動の在り方について,どのようにお考えであるのか,ご所見をお伺い致します。

【答弁】
少子化時代にあって、運動部活動を持続可能なものとするためには、様々な視点から運動部活動を持続可能なものとするためには、様々な視点から運動部活動の在り方について議論を進めていくことが必要であると考える。


○ 地域の小学生野球やサッカー等でも同様に,各関係者の方々も今後の活動自体が存続できるのか消滅を危惧している。

【市民協働部長】
2-⑨ 今後,地域や各種団体との連携など,活動の在り方も検討が必要であり,学校と家庭,地域が一体となって活動の充実を図り,子どもたちに運動の楽しさを感じてもらえるような働きかけが必要だと考えますが,市民協働部長のお考えをお伺い致します。

【答弁】
本市における子供たちを対象としたスポーツ活動としては、スポーツ少年団の活動があり、学校や地域の方々のご協力の下、活動が行われている。子どもたちのスポーツ活動を促す取組として、スポーツ振興課でも、高知公園クロスカントリースポーツ少年団交歓大会、ジュニア駅伝競走などを開催し、総合運動場や東部総合運動場などでは、指定管理者による幼児・小学生を対象とした体験教室やスポーツ教室、様々な競技に触れることのできるスポーツレクリエーション祭といった催しを開催している。
こうした市民主体のスポーツ活動の事例を共有し、情報発信を行うことで、地域間あるいは体育会等の団体間の連携による新たな活動の機会をつくっていくきっかけにもできるのではないかと考えており、この「スポーツを通じた地域コミュニティの活性化」に積極的に関わっていくことで、子どもはもとより多くの市民の皆様にスポーツをする機会を提供してまいりたい。

○ 次に,不登校支援について伺う。
○ 本市の不登校児童・生徒数は増加傾向で,教育支援センターの相談件数も増え,支援員の負担も増し,教室が手狭になるなど,様々な課題を抱えている。

【教育長】
2-⑩ これらの現状について,教育長はどのように認識されているのか,教育支援センターみらいの支援体制を十分だと思われているのかお伺い致します。併せて,今後,どのように教育支援センターみらいの支援を行っていくのか,また,本市の不登校支援の課題について,どう向き合っていくのか,教育長のお考えを伺います。

【答弁】
今後はさらに子どもたちを取り巻く環境が複雑化・多様化することが予想され、教育支援センターに居場所を求めて相談にくるケースの増加が考えられるので、教育委員会としては、来年度、支援スタッフを2名増員して支援体制を強化する予定である。
私は教育長として、不登校対策を本市教育の喫緊の課題と捉え、不登校の未然防止・早期発見はもちろんのこと、不登校児童生徒の自立への支援と学びの場の保障や居場所づくりに力を尽くす。

○ 次に,教職員の働き方改革について伺う。
○ 今後,多忙化の敬遠などで教員志望者が減少することも予見され,35人学級を担う教師の人材確保と質の面から,多くの課題を迎える局面がくるのではないかと危惧する。

【教育長】
2-⑪ 教育長にお伺い致します。本市として,これまで多忙化解消に向け,どのような対策を行ってきたのでしょうか。
志ある教師が多忙化によって疲弊せず,本来子どもに向かう時間を確保するためにも,管理職の意識改革と,今まで以上の働き方改革が必要だと私は考えます。教育長のお考えはいかがでしょうか。

【答弁】
ご指摘いただいたように、各学校における改革推進には、管理職の強いリーダーシップが
不可欠である。今後、教職員がワークライフバランスを整え、やりがいをもって働くことができるよう業務を適正化し、子どもたちに対して「効果的で豊かな」教育活動を行うことができる、持続可能な勤務環境の整備を目指し、継続して業務改善に向けた取組を進め
てまいる。

○ 次に,若手教員の育成について伺う。
○ 昨年3月定例会で,大量採用期世代が退職時期を迎える中,若手教員の割合も高くなっており,教員確保及び質の面から若手教員の育成が極めて重要課題と指摘した。
○ 大学を卒業したばかりの新卒・新採用の教諭が,授業づくりや学級経営,保護者対応,生徒指導等で苦戦する状況も見られる。
○ 力量にも個人差があり,資質ある教師は経験を重ねながら,独自の授業スタイルを紡ぎ出し,生徒に質の高い授業を提供できるようになる。

【教育長】
2-⑫ 他方,適性を欠く教師は,授業を創意工夫する意欲を失い,生徒に高圧的,無関心になったり,不適切な言動や態度によって,トラブルを起こしている実態も,保護者や学校現場から耳にすることもありますが,教育長は,このような現状を認識されているのでしょうか。若手教師の育成の必要性について,ご所見をお伺い致します。

【答弁】
教職員による不適切な指導などがあった場合には、学校の管理職の指導に加え、場合によ
っては、教育委員会の担当者も対応しておる。若手教員の育成については、校長として勤
務していた中で、経験が少ないことゆえに、悩みを抱えている場合が多いと感じていた。
今後も、引き続き若手教員を含めた教員の資質向上のために、必要な支援や指導を行って
まいる。

○ 本市では令和元年度からメンター制を活用した人材育成実践研究事業を導入し,令和4年度から全ての中学校に導入される。


【教育長】
2-⑬ そこで教育長にお伺い致します。令和4年度より全ての小中学校に導入されるメンター制をより効果的な制度に磨いていくために,何が必要であると考えるのか,教育長のお考えをお伺い致します。

【答弁】
私は、教師に特に必要な資質は、子どもたちの実態から学ぶ姿勢そのものであると考えて
いる。その姿勢をメンターチーム会という同じ学校で勤務する教師同士の学び合いの中で
得ることが、本制度の大切な価値であると考える。