本日は高知市役所にて、会派として担当部局から令和8年度の「サマーレビュー」を受け、複数の政策課題について説明を受けるとともに、質疑・意見交換を行いました。
■ サマーレビューとは
「サマーレビュー」という言葉は、市民の皆様にはあまり馴染みがないかもしれません。
高知市ではこれまでも、各部局が整理した課題について協議し、その中には次年度予算につながるものもある場として、サマーレビューが行われてきました。
今回の会派サマーレビューでも、担当部局ごとに複数の議題について、現状、課題、今後の方向性などの説明を受け、それぞれの論点について質疑・意見交換を行いました。
予算案や条例案等は市長から市議会に提出され、市議会がその内容を審議し、議決します。
そのため私は、議案が提出された後に金額だけを確認するのではなく、その前段階から政策課題の背景や現場の実情、制度上の課題、考えられる選択肢を把握し、必要性、財政負担、政策効果、実施可能性、持続可能性まで確認していくことが、議会のチェック機能として重要だと考えています。
■ 複数の議題の中から、一例として「高知方式」
本日はさまざまな政策課題について議論しましたが、その中から一例をご紹介します。
環境部からは、一般廃棄物処理に関する議題として、資源物・不燃ごみの排出・収集・処理を支えてきた、いわゆる「高知方式」の維持・発展について説明を受けました。
高知市では、昭和51年(1976年)に全市的な資源・不燃物の分別収集を開始し、昭和53年度から現在につながる月1回の収集へ移行しました。現在、市内には約1,300か所の資源物・不燃ごみステーションがあり、地域の町内会や登録団体等によって設置・管理されています。
高知方式では、市民が排出段階で細かく分別し、市が委託する再生処理事業者が分別された品目ごとに回収します。環境部の資料では、この仕組みにより中間処理に必要な施設の整備・維持管理等の経費を低く抑えることが可能となり、本市財政に貢献する面も大きいとされています。
一方で、制度を支えてきた地域では、高齢化や地域コミュニティの変化などを背景に、当番の担い手不足に加え、収集日以外の排出、分別されていないごみ、他地区からの持込みなど、管理面での負担が課題となっています。
また、一般廃棄物については、市町村がその処理について統括的な責任を有するとされています。
市民協働による高知方式の価値を維持しながら、社会環境の変化に応じて、地域が担う部分と行政が支援・補完すべき部分をどのように整理していくのか。ここも重要な論点だと考えています。
今回の資料では、庁内ワーキンググループにおける対応策の「案」として、当番の委託、ステーション管理に対する補助金の拡充、量販店等での拠点回収、直営ステーション、ふれあい収集の拡充などが挙げられています。
その上で、私からは主に三つの視点で意見を申し上げました。
一つ目は、政策判断の前提となる「財政的な合理性」を、比較可能な数字で示すことです。
高知方式には、中間処理に必要な経費を低く抑えられるというメリットがあります。
しかし、予算を審議する議会としては、「高知方式だから財政的に有利」という説明だけではなく、無人ステーション方式、戸別収集、拠点回収などの他の手法と比較した場合に、実際にどの程度のコスト差があるのかを確認する必要があります。
収集運搬費、中間処理費、施設整備・維持管理費、人件費などを含めた総コストを比較し、現在の制度を維持・発展させる財政的な合理性を、客観的な数字で示していただきたいと申し上げました。
二つ目は、支援策の「水準」と「対象」を分けて検証することです。
現在、高知市町内会等活動活性化事業費補助金では、資源・不燃ごみ集積所の分別指導の体制確保に係る経費について、1か所当たり上限18,000円とされています。
この金額がどのような根拠で積算され、実際に担い手不足の軽減につながる水準なのかを検証する必要があります。
同時に、今後支援を拡充するのであれば、約1,300か所のステーションを一律に捉えるのではなく、利用世帯数、高齢化の状況、当番確保の状況、管理負担、排出ルール上の課題など、地域ごとの実態を把握した上で検討することも重要です。
「いくら支援するのか」と「どこに、どのような支援が必要なのか」。
限られた財源を有効に活用するためには、この二つを分けて制度設計する視点が必要だと考えています。
三つ目は、高知方式を将来にわたって持続させるための仕組みです。
私は、高知方式そのものの価値を否定するものではありません。
むしろ、市民、行政、再生事業者が長年協働して築いてきた仕組みの良さを将来につないでいくためにこそ、社会環境の変化に合わせた改善が必要だと考えています。
私自身の提案として、従来どおり地域の当番による管理を維持できる地域では、その仕組みを生かす。
一方、担い手確保が難しい地域では、無人方式や委託などを選択肢として検討する。
さらに、ごみ出しが困難な方については、既存の「ふれあい収集」の拡充など、行政サービスによる支援も組み合わせていく。
全市一律の仕組みに当てはめるのではなく、地域ごとの実情に応じて複数の方法を組み合わせる、いわば「ハイブリッド型の高知方式」へ発展させていくことも、一つの方向性ではないかと意見を申し上げました。
重要なのは、制度を単純に「残すか、変えるか」という二者択一で考えることではありません。
政策目的を確認し、現状をデータで把握する。代替手段を比較し、総コストと政策効果を検証する。その上で、支援すべき対象を明確にし、実施後の効果まで確認する。
こうした一連の検証を通じて、これまでの制度の価値を生かしながら、将来にわたって持続可能な形へ改善していくことが重要だと考えています。
私自身、民間事業にも携わる中で、限られた人員や資金の中で、優先順位、費用対効果、現場負担、継続可能性を考えながら判断することの重要性を日々感じています。
もちろん、行政には採算性だけでは判断できない公共的な役割があります。
だからこそ、「なぜ必要なのか」「どのような効果を目指すのか」「どれだけの財源が必要なのか」「他の手法と比較して妥当なのか」「実施後にどのように効果を検証するのか」まで整理し、市民の皆様に説明できることが重要です。
今回のサマーレビューについても、説明を受けて終わりではありません。
今回取り上げられた各政策課題について、地域や市民の皆様から伺っている声、現場の実情、今後示される客観的なデータを照らし合わせながら、さらに確認・調査を重ね、今後の予算審議や議会での議論、政策提言につなげてまいります。
市の政策や予算がどのような過程で検討され、議会がどのような視点で確認しているのか。
こうした市政の仕組みについても、市政報告を通じて、引き続き分かりやすくお伝えしてまいります。





